トイストーリー4についての感想

あまりにも好きだったし熟考出来るテーマと描き方だったので
ちょっとつらつら書かせて下さい。

当然のように！！！ネタバレなので！！！ご注意宜しくお願い致します！
あと個人的な感想になります。

トイ4が、日本では賛否両論、ラブストーリー、ウッディの選択に衝撃、というような
ふわっとした情報が入っている中で見たので、上記三点を頭の片隅に置きながら見ていた。

そこで鑑賞中から思っていたのは、アメリカの個人主義的な思想文化だった。
(※個人主義というのは、私が漠然と思っている所感なので人類学・民俗学的な正しい見解ではありません。民族や国の違いのみで個人の性質が決定されるとは思っていません。念の為)
私が好きな洋ドラのCSIやクリミナルマインドもチームプレーを大事にしていて(組織だし)
勿論、それぞれのキャラクターがチームの仲間を大事に思っている。
でも、それぞれがそれぞれの方向、見るべき方向を見ている気がする。
「仲間は大事」だけど「仲間が第一」ではなくて、自分を尊重した上で仲間も尊重している感じがしているんですよね。だから、チームを離れて別の場所へ行くこともある。
仲間のことはずっと大切で大事なものでそれは揺るぎないけど、それは＝「一つの場所に固執すること」ではない。
だから私はウッディの選択を悲しく思ったり驚いたりはしなかった。
彼が思い悩んで新しい世界を見つけ、そしてそこに一歩踏み出したことが本当に嬉しかった。

その選択をするにあたって、ボーという存在はとても大きかったと思う。
それがラブストーリーと評価されるポイントかな、と思うし実際ウッディはボーのことを特別に思っているわけで、確かにラブストーリーだなと思う。
だから最後、「ああ～ラブストーリーって聞いてたし二人の世界になっちゃうのかな」と思ってたら全然そんなことないじゃん！！？？というのが正直な気持ち。
お互いが特別でかけがえのないパートナーになったけど、それで終わらない。二人はダッキー＆バニー、デューク・カブーン達と一緒におもちゃたちを新しい世界へ導く活動を行っている。
全然見つめ合って終わりじゃない。「結婚というものは、お互いが同じ方向を向くことだ」というようなサンデクジュペリの言葉がありますが、正にそれだな…という気持ち。正しく「愛」のストーリーであったけれど、恋愛の恋の部分に重点が置かれていないのでラブストーリーと言われて想像するものとは全然着地点が違っていた。そこが最高だった…。

そして私が見終わった後「パーフェクトだった…」と呟くしかなかった所以がラストのウッディとバズの台詞。
あんなの…！あんなの見せられて「ウッディがボーを選んでしまった…」なんて気持ち、一切出ないじゃないですか…！
あの二人には、固く強い誰にも断ち切れない絆があるんだって心から思えて、もう涙腺が決壊する…。あんなの最高の相棒じゃん…！？私はああいうのが大好きなんです…男同士の友情を丼で下さい。
アンティーク店でバズがウッディを追いかけようか悩むシーンだって、他のシーンでは心の声にすぐ従っていたのに、バズは何度も何度も心の声を聴いている。「追いかけたい」という気持ちを肯定したがっているようにしか思えない。そのシーンだけでバズがどれだけウッディのことを思っているか判る。
いや本当…ウッディとバズのあの相棒感…見たいもの全部見れた…。

そして4は絶対的な悪役がいなかったことが個人的にかなり好きだった。
立ちはだかる障害ではあるんだけど、討つべき敵ではない。最後には障害であった彼女のために動く。でも「君は悪くない」「助けてあげるね」とかそういう流れではない。それがとても好きだった。
悪は絶対に存在しているけれど、それを子供へ向けた作品であえて描かない姿勢が、今の時代にとてもマッチしていたように思えた。それは、強い女性像を描く点でも言える。
時代に沿った作りになっているのに、それが無理やりではないんだ。とても自然なんだ。

前述のとおりラストシーンからもう涙腺が決壊していたんですが、エンドロールの情報量がすごくてもうこんなの無理では？耐えられませんね。という気持ち。
ジェシーがウッディの意志を受け継いでいるところにも涙が出たし、最後のフォーキーの台詞にも涙が出た。というか涙と言えばオープニングで既に泣いちゃいますね。あれは泣いちゃう。
なのに始終徹底して軽快なエンタメで、とってもポジティブな映画で、キャラクターが皆チャーミングで、笑いが絶えない。
とても重要で深いテーマを描いているのに、全く苦しくない。それが本当にすごい。

ピクサー作品では断トツでファインディングドリー推しだったんですけどトイストーリー4も並びましたね…最高でしたね…。

Blu-ray出たら買います。何度でも見たい。新キャラが皆むちゃくちゃ可愛い。